今日は妻が娘を連れて実家に帰っている。
妻の実家は車で1時間半くらい。
やはり、いくつになっても娘に会えると
父親は嬉しいものだろうと思う。
親孝行しやがるな。妻め。
なので、今日は私は家に一人だ♪
何を隠そう、一人だ。
ひ、と、り、ひ、と、り。斉藤一人♪
今、金魚鉢のエアーブクブクの音しかしない。
そういえばエサやってないね。やろ。
あとはなにしようか、ってんで、
珈琲でも飲もうかね。
お湯をわかして〜、
わっ、やばい。そう言えば、思い出したよ!
お湯を沸かす、で思い出したよ!
こないだ、弟の嫁さんから貰った黄色い茶があったな!
妻が、
この茶の黄色いパッケージ見た瞬間、 すごい形相で、
「これ高っいお茶だ!!これスッゴイおいしいって友達言ってたんだよね!!嬉しすぎる!!」
ってんで、
でも私は、
茶はあまり飲まないからどうでもいいので、
妻が「飲む?」と、聞いてきたが、
「いらないよ」と、私。
「えっ、ほんと?いいの」と、妻が嬉しそうに言うので、
「いいに決まってるよ」
「ほんと?全部わたしが飲める〜、嬉しい〜♪」
と言って、鼻歌交じりで湯を沸かし、
妻はいちいち、美味しいとか、香りがすごいとか、
唸りながら一人で飲んでいた。
その様子を、横でチラ見していた私は、
(ちょっと飲みたいな、飲んでみたいな)
なんて思っていたんだよね。へへ。
そりゃ、高っくて?、スッゴクおいしっくて、
と言われれば飲みたいよな。そりゃ飲みたいよ。
(今日、妻いないよ)
あ、今僕の中の悪魔の声が。
ハハハハハ、いいよいいよ。飲むよ。飲もうよ。
今日は無礼講だよ。
と、私は、妻がしまっていた引き出しから
その茶を取り出した。
そして、封をあける。
なにこのティーパック。
ヒモの部分がクルクルンになってる。
そして伸びるなんて!
早速お湯を注いでみた。
茶をだしているときに
このヒモでティーパックをビヨヨンさせる楽しみ。
おっ、今度は香りがあがってきましたよ。
スゥー、ああ、なんていうのかなぁ
こう、よくわっかんないわ。
そろそろ、ティーパックを引き上げて、
飲んでみますか。
ああ、くる、香りがくるねえ。
よくわっかんない系がくるねえ。
で、飲ませてもらうよ。
ずずずっと。
ったらこれがビンゴだよ!
うまいよ!
味はさ、ライチっていうの?マンゴー?ラズベリー?
フルートな感じフルート?
ひとことで言うと、よくわっかんないわ。
全部飲み干したところで、静まり返った家。
茶をしても、一人。
娘の顔が無性に見たくなった。
(しかし、この茶うまかったな)by 悪魔の声